いと。

驚いた表情を見せる愛も幸せそうに微笑む愛も可愛くて、思わず笑みがこぼれる。

オレは今までこんな風に笑ったことなんてなかった。

こんな風に幸せを感じたことはなかった。

「……うん。ありがとう。…ありがとう。

曜、私ね……。」

表情を真剣なものに変え、静かに語り出す愛。

「ん?」

「ずっと、 あんなに愛した薫より曜を愛せるのかって考えてた。」

「……………。」

「あんなにまっすぐひとりだけを見て、想ってきた日々を捨てられるのかって。

こんなにすぐに切り替えられるなら薫を想ってきた気持ちは何だったって。

でも………曜に言われて救われた。

愛されない子供だとずっと思ってきた私でもちゃんと愛して愛された。

真剣に向き合えた。

そういう大切な『過去』だったって堂々と持っていていいんだって思えた。

燻ってモヤモヤしてたのがスッキリした。

ありがとう。私の心の奥まで受け止めてくれて。

これからは……まっすぐ曜だけを想える。

胸を張って向かい合える。

一緒に、未来を見ていくよ。」

包みなくさらけ出された、ずっと気になっていた彼女の心の内。

愛の瞳に映し出されるオレの陰に少しでもあいつがいたら………。

そう思っていた嫉妬心は一瞬にして消え去った。

過去にキレイに区切りをつけ、前を向く彼女は、やっぱり強い女だと思う。

それを支えていける強さを、オレも持っていないといけないんだ。

「……ぅわっ!?ちょっと!曜!」

優しく微笑む愛を抱え上げて膝の上に横抱きに座らせる。

恥ずかしさからか頬を染めて抗議する様子を尻目に肩より少し伸びた髪に顔を埋めると、

「……………。」

さらりとその華奢な掌がオレの頬を撫でた。

その仕草の愛しさと言ったら。

「………絶対、幸せになれるよ。

オレと一緒にいたら。

約束する。

……………オレの、愛……………。」


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