いと。

「亨?何を言っている?我慢など………
こいつを育てて良い大学に入れ、何不自由なくしてやってきたのは私だぞ!?

恩返しをさせて何が悪い!

跡継ぎにはなれない次男に役職を与え仕事を与えているんだぞ!」

次第に声を荒げ机をたたきながら息巻く様子は余りにも滑稽で、

恩返しやら跡継ぎにはなれないやら、役職を与えてるやら…聞いているだけで虫唾が走るようだった。

「…自分勝手な道理を並べていつまでこいつを良いように使う気ですか?

散々やらせてきたでしょう?無理やり結婚話まで出して。

兄としても息子としてもこれ以上は見過ごせません。

………経営者としても。」

再び冷たい視線を作った兄は父に向き直り対峙する。

自信を持ったその表情は見苦しい父を見下しているようでもあった。

「………亨。オレは………」

『愛を探しに行く』

そう言いかけたオレに兄はすっと手を出して静止する。

「…わかってるよ。

ただ、ちゃんと見届けていけ。すぐ終わるから。」


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