いと。

「……………。」

外はもう、寒々しい季節を迎えた。

吹き付ける風は、私の居場所を知らせるように窓をガタガタと揺らしていてちょっとだけ怖い。

あの日………

事実を知り、逃げるように曜の元を去った。

姉弟でありながら愛し合うなんてそんなことしてはいけないんだ。

そんな人として許されないこと…曜にさせるわけにはいかない。

曜は、ちゃんと祝福される人生を送るべきだ。

もう二度と会ってはいけないと思えば、逃げるしか方法はなかった。


ちゃんと……幸せになってほしい。


私は、抱えきれないくらい……もらったから。


この幸せを持っていれば、生きていけるから。


ねぇ、曜。


あの日電話を切ってからたくさん泣いた。


あなたが恋しくて、苦しくて、悲しくて。



死んでしまおうと思ったこともあった。



だけどね、泣くのはもうやめたよ。


泣いていたら大事なものが見えなくなるから。


ねぇ、曜。


幸せをありがとう。


いつかそう……伝えられたらいいな。


< 470 / 561 >

この作品をシェア

pagetop