いと。

「さて…と。」

ご飯を炊き、昨日の残りの味噌汁を温め、簡単におかずを作る。

この身体はポンコツだから、最近は無理をしてでもしっかり食べるようにしている。

…曜は、ちゃんと食べてるかな。

掃除や洗濯はまた、節子さんにお願いしてるんだろうか。

のろのろと箸を動かしながら、考えてしまうのは曜のことばかりだった。

『一生かかってもわからせてやる』

『帰り、待ってるから』

『愛と幸せになりたい』

彼にもらった言葉たちが胸の中で響いて切ない気持ちを震わせる。

思いを確かめ合ってから過ごした期間は本当に僅かだったけれど…それでもこんなにも、心の中では彼を呼んでいる。

いけないとわかっていても、求めている。



神様、どうか……彼がここに現れませんように。



私を見つけてしまいませんように。




もう…愛しいひとを振り切ることはしたくない。


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