いと。

降りた先は初めここに来た時に湖を眺めた砂浜だった。

降り続いていた雪はいつしか止み、冷たい風が吹き続けるばかりだった。

「…愛。」

視線の先にいたのはずっと求め続けた姿だった。まっすぐに立ち前を見据える先には深い深い蒼が広がっている。

コートを着ているせいか膨らみはよくわからないけれどその両手は確かに、大事そうにお腹に添えられていた。


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