いと。

もう二度と、愛しい人に背を向けることはしたくなかったのに。

突き放してしまった温もりと声は、ずっと張り詰めていた私の心を一気に崩壊させてしまった。

押し込めていた愛しさが波のように襲ってきて溺れてしまいそうで…。

もがけばもがくほど、曜を求める気持ちを思い知らされて…。

大切なもののために泣かないと決めた瞳は、潤んで景色をぼんやりと歪ませた。



その時だった。


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