いと。
薫といて心地いいのはこんな風に私に気を使わないからだ。
家族と食事するということが皆無だった幼少時代にすでに私は少食だった。
食事はどんなに美味しいものでもただの給餌でしかなかった。
そのまま食に楽しみを見出せず、薫とこうして食べるようになっても食の量が増えることは一向にない。
それでも薫は私との食事を楽しんでくれる。
「愛は食べる量は少ないけど、美味しいって言って笑ってくれるからそれでいい。」
いつだったかそう言われた。
どこまでも優しい、あったかい薫。