花明かりの夜に
聞いたことしか答えず、紫焔には目をくれもしない。

むしろ、自分にちらりと投げられる目線は冷たくすらある。


(そっけないな)


そういう作戦なのか、それとも――


(面白い)


知らず知らず、紫焔の口元がフッとゆるんだ。



 * * *



(若さまがお部屋にまだいらっしゃるし、お部屋のお掃除はお部屋があいているときにしようかしら)


沙耶は腰に手を当てて部屋を見回した。
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