新選組へ ~ 連理之枝 ~
3日後


お梢の縁談が決まり、御所を出た

あれから、一言も会話をしないまま別れた



今日の夕餉は、天子様と睦仁と一緒だ



気でも使ってるつもりだろうか?


俺は、ちまちまと食べ、箸を置いた


天「かわりの世話役だが…」

俺「いりませんよ」

天「食事を運ぶ者がいるだろう?」

俺「天子様、俺…いります?」

天「もちろんだ!何を言う!?」



万病に効く薬だもんな…



俺「怪我は、治せませんから…
それと…表へ出ることもやめます
食事は、日に一度部屋の前に置いて
頂ければいいです
後は、適当にやります」


睦仁「影!!どうしたのだ?」

天「影!!」


2人に呼び止められたが、気にせず

部屋に戻った


誰とも関わりを持ちたくない

畳の上にうつ伏せになり

そのまま目を瞑った

お梢が来なくなってから、布団で寝ていない

別に布団くらい自分で敷ける

ただ敷く気にならないのだ

どうせ、眠れない


翌日


朝 昼 夕 と3食運ばれたが

手をつけなかった


次の日も、その次の日も


何日もそうしているうちに


睦仁が部屋に来た


のそっと起き、座った

「食べておらぬと聞いた
具合が悪いのか?」

「必要な時だけ使ってくれ
それ以外で、俺に関わるな」

「影!?」

「俺は、影じゃねぇよ!!
俺は、俺は… 」


言いながら、どうでもよくなった


「用が無いなら来るな」

睦仁を追い出し、うつ伏せになる







「帰りたい…」








新選組に…










泣きたくても、涙は出なかった


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