新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】

幹部会議にお客様がお見えだと
言われたので、お茶をお持ちした

佐々木さんだった

チッ


皆にお茶を配り、部屋を出ようとしたら

「誠!お前に話がある」

やっぱり、弄られるんだな…

「なんでしょう」

「紅葉狩りでお会いした姫を覚えているか?」

姫って……慶喜様かよ?

「はい」
「紅葉様と仰る」

「そうですか… 」
「紅葉様から頂いたものを出せ」

はぁ?なんで、お前に?

んーーーえい!

藤「紅葉?」
原「草?」
永「葉っぱ?」

原田さん…残念!


「紅葉様が、そろそろ葉っぱが枯れる
だから、コレを代わりにとな!」

木で作った紅葉だった

慶喜様は、手先が器用でいらっしゃる
おそらくは、手作り

うっ嬉しい!!!

「ありがとうございますと
お礼をお伝え下さい」

「あれれ-?今日は、笑わないんだな?」

佐々木!!黙ってろ!!
くっそー!!やっぱり弄られるんだな!!

土「今日は、って…前、笑ったんですか!?」

佐「あぁ!綺麗な姫だったからかな?」

俺「そうかもしれませんね」

どうでもいい!さっさと帰れ!バカ佐々木

佐「姫がまたお会いしたいってさ!」

俺「機会があれば」

佐「いいねぇー若いもんは!」

俺「身分が違い過ぎます、姫君に失礼です
お話相手ということでしょう」

紅葉を懐に仕舞う

佐「だったら、なんで紅葉様に笑顔を見せた?」

俺「……紅葉様だからじゃないですか?」

佐「初めて会うのにか?」

本当に意地悪いな!佐々木バカ!!

俺「俺が笑うと悪いですか?」

佐「そうとは言わん、普段から笑えばよいなと、思っただけだ!……ほれ!」

小さな包み紙が、佐々木さんの掌にあった

俺「……」

佐「クククッそう警戒するな、俺からじゃない!」

俺「なら、受け取ります」

佐「あははっ失礼な奴だ!!」

包み紙を取ろうとしたら、手を引っ張られ
いとも簡単に、皆の前で
佐々木の膝に抱っこされている

俺「気持ち悪いんですけど……」

佐「わっははははは!やはり子供だな!」

俺「放してください」

佐「よしよし!良い子だなぁ!」

佐々木さんに頭撫でられるなんて……屈辱

俺「殴りますよ?」

佐「はいはい、おりますかぁ?」

完全にバカにされている
我慢!我慢!我慢!我慢!我慢!

俺「早く放してください!!」

佐「照れておるのか?」

俺「佐々木さんなんかに、照れません!
気持ち悪いから、放してください!!」

力が緩んだから、放れた

ぞっ 鳥肌だ

俺「次、こんなことしたら、殴ります!」

佐「俺、新選組の上司なんだぞ?」

知ってるよ!
だから、なんだ!
個人的には、俺のが上司だろうが!!

ふーーー

まっ本性出さずにすんだ

危ねぇな


佐「今度の家茂様のお出掛けに、紅葉様も同行されるそうだから
誠!お前は、絶対に参加しろよ?」

俺「……はい」


なんなんだよ
佐々木さんのいいように扱われてる
苦手だ



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