2・5次元の彼女
「どうしてって顔してるな」
HARUが私の肩をそっと撫でる。
「言っただろ、好きにはいろんな形があるって」

「そういう問題じゃ、ない」
抱きしめようとしたHARUを跳ね除けて、私は彼と距離を取る。
「こんなの聞いてない!」
叫んで、私は背中を向けた。
怒っているはずなのに、きっと今私は情けない顔をしている。
こんなの見せられない。

「夕莉は気にしなくていい」
「するに決まってるじゃん! 不倫なんて」
逃げる私を、HARUは背中から抱きとめる。

「俺のこと、嫌いになった?」

言われて私は言葉に詰まる。
ぬくもりが背中から伝わってくる。

手を振り払えない自分が嫌だ。

無言の私をYESと受け取ったのか、HARUが突然私の手を引いた。
私はよろけながら、ベッドの上に倒れこむ。
HARUは私を追いかけて屈みこむ。

「嫌いになったなら、嫌って言ってくれていい」
拒めない私を見透かすように、HARUが言った。


そんなの。
言えるわけない。

こんなに好きだったのに、嬉しかったのに
突然嫌いになんか、なれるわけない。
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