2・5次元の彼女
景斗は私の隣の席が空いているのを確認すると、椅子を引いた。
腰掛けるのも待たずに、私は不満たらたらの声を上げる。
「景斗、彼女がいるって嘘だったの!?」
「……えっ!?」

久々の再会だというのに、開口一番に文句を言われ、景斗は口元を引きつらせた。

「や、嘘はついていないけど……もう別れたよ」
「いつ?」
「いつって……ええと……」

強い口調で問い詰められ、困った顔で頭をかく。
「彼女の話をした直後かな。1週間と付き合わずに、すぐに別れてしまったから」
「そう……なの?」

予想以上の短さに、私は眉をひそめた。

直後って、それって――

景斗が私を迎えにHARUの家まで乗りこんで来たとき
あのとき、まだ彼女と付き合っていたのだろうか。
……それとも――


私が沈黙した一瞬の隙をついて、今度はイリーナが軽快に話しかけてきた。
「ねぇねぇ、ユウさんの方こそ、彼氏とかいないの?」
「私? いないけど……」

すると、イリーナは私に向かって身を乗り出して
「じゃあさぁ、ユウさん、今度俺とデートしようよ」
そう言ってにっこりと微笑んだ。

「は!?」
「っな……!?」

私も驚いたが、それ以上に驚いたのは景斗の方で、テーブルに手をついたままガタッと腰を浮かせた。
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