2・5次元の彼女
「な、なんで突然!?」
何故か私の台詞を代弁する景斗。

「だってユウさん、今フリーだってゆーし。ね? いいでしょ?」
突然おねだりモードに突入するイリーナ。
私の手を取ったかと思うと、その手の甲にキスをした。

「……!」
再びガタッと席を揺らし動揺する景斗。
当の私はというと、イリーナの行動にどきりとはさせられるけど、それ以上に景斗のリアクションの面白さに釘付けだ。

「えー? イリーナとデートー?
どうせ私のおごりでしょう?」
私がおどけながら気乗りしない声を出すと
「失礼だなー。デートのときくらいは出しますよ、お・ね・え・さ・ま」
唇に人差し指を添えてウインクするイリーナ。
年下の男の子にお姉さまなんて言われたのは初めてで、案外悪くないかもと思ってしまう。

イリーナは再び私の手を取って、にこにことして言う。
「絶対楽しいと思うよ? 自信あるもん。
景斗なんかとデートするより、ずーっと楽しませてあげるよ」

「ちょ、ちょっと待って!」
引き合いに出された景斗は黙っちゃいなかった。
「僕なんかよりって、どういう意味!?」

イリーナは横目で挑発的な笑みを浮かべる。
「だって景斗、経験少なそうだしさ」
「……っな!?」

ずばり言い当てられたのか、景斗は頬を赤くして何も言えずに口をパクパクとさせた。
やはり、といった顔で、イリーナは見下す視線を投げる。

「俺の方が若くてフレッシュだし、スタミナあるし、女性を楽しませられると思うなー」
「デ、デートにスタミナは関係ないよっ!」
「何言ってんだよ。もちろん、ベッドの中での話だよ」
「……っっ!」

今度こそ耳まで真っ赤になってしまった景斗は、声にならない声を上げる。
イリーナは楽しくて仕方がないというような意地悪な笑みを浮かべた。

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