2・5次元の彼女
結局HARUの家まで来てしまった私は、そわそわと胸の前で手を合わせたり手首に触れてみたり、落ち着きのなさをそんな仕草でごまかした。
リビングのソファに座り一呼吸つく。
相変わらず独り暮らしにしては広くて豪勢な部屋だ。

HARUはキッチンから1本のボトルと2人分のグラスを持ってきた。
見慣れないボトルに目を凝らすと、日本酒の文字。
ソファに腰掛けながら、そのボトルを開ける。

「夕莉は日本酒が苦手だったよね」
そう言いながら私のグラスに日本酒を注ぎこむ。

「わかってるのに、これって何の嫌がらせ?」
私は軽く、膨れっ面を作る。

「だいじょうぶ。これはすごく飲みやすいから。
そう言いながらHARUは私へグラスを差し出した。

私はグラスを手に取ると、そうっと唇に当てる。
ふんわりとした米の甘い香りが鼻を掠める。
軽く口の中へ運ぶと、舌の上でシュワッと弾けた。

「なんだか、シャンパンみたい」
「スパークリング日本酒だってさ」
「うん、これなら美味しい」

私が笑顔を浮かべると、HARUは得意げな表情をした。
「日本酒が苦手でも美味しく飲めるって、うちの妹の一押し」
そう言って、自分も一口喉に流し込んだ。

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