2・5次元の彼女
そっか。妹がいるんだ。
私はHARUのことをほとんど知らないんだなと実感しながら、彼を眺める。
家族構成も、どんな友人がいるのかも、現実に今、何を悩んで、何を目指しているのかも。
知っているのは、ゲームをしていることと、写真が好きなこと、それくらい。

「妹さんと仲良いの?」
「うーん、まあ普通」
HARUは適当に短く答えた。

「夕莉は兄弟いないの?」
「うん。一人っ子」

私の答えに、HARUは小さく微笑む。
「うん、そんな感じだな」

「何それ? どんな感じ?」
一人っ子っぽいと言われて、今まで良い印象であったことが一度もない。
我がままだとか、世間知らずだとか、協調性がないだとか
だいたいの人が社会不適合的な感想を述べる。

嫌な顔をした私を見て、HARUは困ったように笑いながら言葉を捜す。
「なんていうのかな。
誰かに大切に守られてきたって感じがする」

そう言うと、私の頭にぽふっと手を置いた。

それは褒め言葉なのか、どうなのか。
よくわからないまま、HARUの笑顔と手のぬくもりが私を支配する。

いつも以上に、HARUとの距離が近い。

だめだ。
鼓動が早くなる。

このあとのことを、意識してしまう。

私はぶんぶんと首を振って考えを振り払う。
いきなり何考えてるんだろう。
バカな私。
< 96 / 241 >

この作品をシェア

pagetop