立花課長は今日も不機嫌
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菓子折りを携えてプリマベーラのドアを開ける。
今日は、最後の挨拶で店を訪れたのだった。
「今夜はお店には出て行かないの?」
着替えもせずに女の子たちにお菓子を配り歩く私に、霧子さんが寂しそうに尋ねる。
霧子さんのそんな顔を見ると、やっぱり残りますと、うっかり言ってしまいそうになる。
「はい、ご挨拶だけで」
急なお願いで辞めさせてもらうことにしたのだった。
立花さんの異常事態に、私がアルバイトを続けているわけにはいかない。
ズルズルと引き延ばしていたけれど、ようやく決意したのだ。
「きーめた!」
霧子さんが突如、高らかに宣言をする。
メーク途中で立ち上がって、控室の外にいる店長の元へ小走りする。