秘密の記憶は恋の契約
そうだ、きっとそうだ。

そうに違いない、と私は自分に言い聞かせる。


(でも・・・)


ふっと、向けられた眼差しとキスの感触を思い出し、一瞬で顔が火照ってしまった。

そのとき。

「梅村」

「!?は・・・はいっ!?」

綾部くんに名前を呼ばれ、座ったばかりの椅子から飛び跳ねるように立ち上がる。

そんな私に一瞬驚き、けれどすぐ、彼は怒ったような顔をした。

「・・・昨日、第一支社の畑野さんからおまえにメールが来てたろ。

あれ、オレに転送しといてくれる?」

「あ・・・はい!了解!」

「・・・とりあえず座れば?」

「あっ、うん!そうだね・・・!」

指摘され、私は慌てて席につく。


(うわ・・・!めちゃくちゃ動揺してるのバレバレだよ・・・!)


右隣の岩下さんからも、「どーした?急に立って」というツッコミが入る。

「なんでもないです・・・」

「へへへ」と笑ってごまかしながら、綾部くんに頼まれたメールを探し、早速彼に転送する。
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