秘密の記憶は恋の契約
(もうすぐだな・・・)


翌日の金曜日。正午過ぎ。

左腕にはめた時計の文字盤を確認し、私は小さく深呼吸。

昨日、家に帰ってシャワーを浴びた私は、そのまますぐにベッドに入り、あっという間に眠ってしまった。

金田さんに話したことで、すっきりして安心したのだと思うけど、とにもかくにも朝までは、ぐっすり眠ることが出来た。


(朝起きたらまた、一気に不安が押し寄せたけど・・・)


綾部くんと、どんな顔して会おうかな。

山崎さんと、意識しないで話せるだろうか。

佐々木さんとも・・・動揺しないで会えるかな。

そんなことを考えて、緊張と不安で胸の中はいっぱいだった。


(とにかく今日が、無事に終わりますように)


ココロの中で、何度もそんな想いを祈る。


(結局・・・綾部くんとも、いつもと変わらないもんね)


出勤後、朝の挨拶はなんとか普通に交わしたものの、その後は微妙な雰囲気で、仕事の話しかしていない。


(いまだって、せっかくのお昼休憩だけど・・・)


チラリと左の彼を見る。
< 163 / 324 >

この作品をシェア

pagetop