秘密の記憶は恋の契約
入り口で受付を済ませ、案内された部屋へ向かうと、そこにはすでに佐々木さんと山崎さんが椅子に座って待っていた。

「あ・・・お待たせしました」

頭を下げて部屋に入ると、途端に山崎さんと目が合った。

「こんにちは。お待ちしてました」

にこっと笑顔を向けられる。

意識しないようにって思うのに、私は恥ずかしさや気まずさで、視線をはずして会釈を返した。


(・・・思春期の女子か、私は・・・)


こういうとき、もっとオトナな対応が出来ればいいのに。

うつむいたまま視線を泳がせていると、佐々木さんに席を促され、私と綾部くんは一礼して目の前の席に並んで座った。

自然な流れから、私と佐々木さん、綾部くんと山崎さんが向かい合うという配置になり、なんとなく居心地の悪さを感じてしまう。


(まあ、どっちと向かい合わせになっても、微妙な気はするけども・・・)


社交辞令のような時候の挨拶を済ませると、私はアクアシュガーの二人に資料を渡す。

綾部くんがパソコンとテスト用のレジをセッティングしていると、佐々木さんはにこりと笑って口を開いた。
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