秘密の記憶は恋の契約
「納期、合わせていただいてありがとうございます」

「いえ。こちらも、一か月で大丈夫だとお約束したので」

「・・・そうですね」

佐々木さんの口調が、なぜか冷たいように聞こえたけれど、綾部くんは特に気にすることもなく、デモンストレーションを開始する。

「それで・・・ここを読み取ると、有効期限も自動継続できるようになってます」

「はい」

「レシートへの印字は、ご依頼いただいた内容で・・・こういった感じに仕上げています」

「・・・ああ、いいですね。やっぱりすごく見やすいです」

綾部くんから渡された細長いレシートを手にすると、山崎さんが満足そうな笑顔で頷く。


(ほっ。よかった!)


と、安心したのもつかの間、佐々木さんは「うーん」と唸って呟いた。

「・・・そうですね・・・。でも、これくらいだったら、もう少し早い納期でお願いしてもよかったかな」


(むっ・・・!これくらいって・・・)


一か月でも、かなり大変だったのに。

佐々木さんの言葉にかなりカチンときたけれど、相手は大事な取引先。

ココロの声をぐっとこらえ、愛想笑いで受け流す。
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