秘密の記憶は恋の契約
昼休み。

私は知り合いに会わないよう、電車に乗ってひとつ隣の横浜駅までやって来た。

昼食は、社内食堂で食べるか、会社から徒歩圏内にある飲食店に向かう社員がほとんどだ。

ただでさえ時間もないし、会社周辺の環境は飲食店に恵まれている。

わざわざ電車に乗ってランチをしに行くと言う人は、今まで聞いたことがない。


(知り合いには会わないだろうけど・・・)


想像はしていたものの、横浜駅は大混雑。

駅にこれだけ人がいるのなら、お店はどこも混んでいるはず。


(そうだよね・・・ランチ時だし・・・)


悩んだ私は、ただでさえ移動に費やしてしまった貴重な時間を確保するため、駅構内にあるカフェでランチをすることした。

店内は既に満席で、レジにも数人並んではいるけれど、ほとんどは忙しそうなビジネスマン。

皆、軽く食事を済ませると、慌ただしく席を立っていく。

この調子でいけば、レジに並んでいる間に空席が出そうな雰囲気だ。
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