秘密の記憶は恋の契約
サーモンのベーグルサンドとホットコーヒーを注文し、レジでトレイを受け取った私は、店内をぐるりと見回した。


(あ。ラッキー!)


ちょうどよく、二人掛けの席が空き、私はすかさずそこをキープ。


(よかった!これでちょっとはゆっくりできるかも)


席を確保できたことにほっとして、ベーグルにかじりついていると、「美咲ちゃん!」という聞き慣れた声が聞こえ、私ははっと顔を上げた。


(げっ・・・!金田さん!!)


知り合いに会わないよう、わざわざ電車に乗ったのに。

まさかの事態に、私はベーグルサンドを落としそうになってしまった。

「よかったー!満席だからどうしようかと思ってたんだ!相席いい?」

「も、もちろん・・・!」

多分、顔はひきつっている。

けれど頬の筋肉にがんばってもらい、笑顔という表情をなんとか作った。

「ありがとうー!」

私の動揺に気づいていない金田さんは、向かいの席に座ると、「いただきまーす」と言って早速サンドイッチを食べ始める。


(ど、どうしよう・・・)


無言でベーグルをかじり続ける私に、金田さんは「そういえば」と言って話を切り出す。
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