秘密の記憶は恋の契約
「初めて打ち合わせしたときも、担当が変わったこと、説明するの忘れてたでしょう?

これも・・・これだけの誤字に気づかないなんて、うちの新人さんでもないですよ」


(!)


「申し訳ありません・・・」

悔しくて、恥ずかしくて、私はひたすら謝り続ける。

そんな私を見かねてか、山崎さんがフォローを入れた。

「佐々木さん。誤字なんてすぐに直せるものですから・・・」

「だからって、いいってことにはならないでしょう。こんなの出してくるなんて、相当適当に仕事したのかなって、こっちとしては思っちゃう」

佐々木さんの言葉に、私は無言で頭を下げる。


(適当な気持ちでやってたわけじゃないけど・・・)


誤字にも気づかないなんて。

綾部くんともゴタゴタしてたし、もしかしたら、注意力が足りなかったのかもしれない。

「ちゃんとした資料がないと、こちらも困りますからね。

まあ・・・今日中って言うのもかわいそうだし、私も予定が入っているので。

月曜日の朝いちで持ってきていただけますか?そうだな・・・・・・梅村さんひとりで」

「えっ・・・」

妖しく微笑んだ佐々木さんと、私はバチリと目が合った。

ヒンヤリとした汗が、私の背中を流れていく。
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