秘密の記憶は恋の契約
(・・・なんだろう。なんか、すごく怖い・・・)


「土日挟むから、さすがに完璧に直して来てくれますよね?」

「は、はい、もちろん・・・」

頷くものの、私は恐怖心から断ってしまいたい気持ちになる。

そこへ、綾部くんが「すみません」と言って会話に割り込んできた。

「オレも来ますよ。確認不足だったのは、むしろオレの責任なので」

「・・・」

佐々木さんが、一度きゅっと口を結ぶ。

その表情は、苛立ちを抑え込んでいるようだった。

「・・・ずいぶん、梅村さんに優しいんだね」

「別に。自分も悪いって思ったから、そう言っただけですよ」

「・・・そう。・・・いいわね。若くてかわいいってだけで、ミスしても男の人にかばってもらえて」


(・・・えっ・・・!?)


わ、私のこと!?

佐々木さんの、冷えた目線が私を捉える。

私は言われた言葉に驚いて、大きく目を見開いた。

「いつもこんな感じなの?」

「いえっ・・・」

男の人が多い職場だし、綾部くんはもちろん、男性社員に助けてもらうことは多い。


(でも、だからって・・・)


始めから、そんな期待はしていない。
< 172 / 324 >

この作品をシェア

pagetop