秘密の記憶は恋の契約
さくらシステムズまでの帰り道。

早足で歩く綾部くんの隣で、私は戸惑うようにドキドキと胸を鳴らしていた。

不機嫌な表情の彼は、ずっと私の右手を離さない。

「・・・気に入らねーな」

綾部くんが突然、荒い口調で吐き捨てる。

私はそれを聞き返すように、右側を歩く彼を見上げた。

「・・・おまえ、山崎さんに優しいこと言われて、嬉しそうにしてただろ」

「えっ・・・!?」

責めるような彼の声。

底抜けに苛立っている彼に、思わずドキリとしてしまう。

「そ、そんな・・・嬉しそうにっていうか・・・。あの状況で優しくしてもらったから、ちょっとほっとしただけだよ」

「顔。すげー赤くなってたし」

「!?な、なってないよ・・・!」

「そんなの自分じゃわかんねーだろ」

「わ、わかるもん・・・!赤くなった覚え、全くないから!!」

ムキになって否定する。

そんな私をジロリと見ると、彼は不機嫌全開の顔をした。
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