秘密の記憶は恋の契約
「・・・おまえ、マジであの人のことが好きなのか」

「!?」

言われた言葉に驚いて、私はピタリと立ち止まる。

つられて動きを止めた彼は、私のことを真っ直ぐ見つめた。

「そ、そんなわけないじゃない・・・!」


『私は、綾部くんの彼女なんだよ』


そう、言葉を足そうとしたけれど。

今更すぎるような気がして、どうしても、私は口に出来なかった。

考えるような彼の沈黙。そのまま私も口を噤んだ。

「・・・・・・どーだか」

フン、と口を尖らせると、綾部くんは再び、私の手を引っ張って会社へ向かって歩き出した。







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