秘密の記憶は恋の契約
淡々と、彼は話すけど。

言われた言葉にドキリとして、思わず彼を見つめてしまう。

「・・・山崎さんも言ってたけど。佐々木さんは、基本クールな人だと思う。

けど、おまえに対してすげえ感情的になってたろ。なんかあんのかなって、考えるに決まってんだろ」

「・・・うん・・・そうかもしれないけど・・・」

佐々木さんに、妖しく微笑まれた恐怖感。

私ももちろん、イヤな予感しかしないけど。


(でも、『私一人で』っていうのが、佐々木さんの希望だし・・・)


怖くて行きたくない気持ちと、行かなきゃいけない仕事の義務感。

悩む私をチラリと見ると、彼は「それに」と言葉を足した。

「・・・山崎さんのことも。美咲が、これ以上好きになったら困るから」

「え・・・」

ドキン、と大きく胸が鳴る。


(それって・・・)


答えを求めるように見つめると、彼はプイッと視線をそらす。

そしてそのまま綾部くんは、スタスタと会社の中に入って行った。


(やっぱり・・・・やきもち、かな・・・?)

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