秘密の記憶は恋の契約
「戻りましたー・・・」

システム事業部に戻ると、課長が一人で仕事をしていた。

作業に集中しているらしく、私たちのことに気づかない。

「おつかれさまです」

何事もなかったかのように、すっかり仕事モードになった綾部くんが、私に代わって声をかけると、課長は「おお!」と言って顔を上げた。

「おかえり!」

「おつかれさまです・・・あの、みんな出払ってるんですか?」

「うん。なんだかんだとね。遅れて休憩入ったやつもいるし、外回り行ってるやつもいるし」

「そうですか・・・」


(めずらしい・・・)


「で?今日はどうだった!?」

私の返事にかぶせるように、課長は早速今日の確認。

私はドキリとうつむいて、業務報告を行った。

「はい・・・。提出した資料の誤字が多くて・・・月曜日に再提出になりました」

「誤字!?それはまた・・・」

「・・・すみません・・・」

ガクンと肩を落とす課長に、小さくなって謝る私。

課長は髪を掻きながら、そのまま話を続けていく。

「怒ってたか、佐々木さん」

「はい・・・」

「・・・そ、そうか・・・だよなあ・・・」
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