秘密の記憶は恋の契約
考え込むように、課長は「うーん」と唸り声。


(佐々木さんが仕事に厳しいのは、課長もよく知ってるんだもんね・・・)


今回の件に関しては、私的な感情が入っている気もするけれど。

怒れる佐々木さんを思い出した様子の彼は、さまざまな心配事が頭の中に浮かんだ模様。

「システムの方は大丈夫か?」

「はい。それは問題ありませんでした」

落ち着いた声で、綾部くんがしっかりとした口調で答える。

課長は「そうか」と頷くと、顎に手を当て話しを続ける。

「とりあえず・・・資料の再チェックして、誤字を直せばOKか」

「はい。そうですね」

「じゃあ・・・オレも目を通すから。おまえらも、何度かちゃんと読み返してくれ」

言われた課長の申し出に、私は思わず「え!?」と呟く。

「いいんですか?結構量ありますよ?」

「次も見落としがあったら、さすがにシャレになんないだろー。

初見に近い方が、誤字脱字って案外気づいたりとかするからさ。

・・・まあ・・・とか言ってもな、ざっと読んでくレベルだから。あんまり期待しないでくれよ」
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