秘密の記憶は恋の契約
山崎さんからの告白は、断るって決めている。

けれど、返事は「この仕事が終わってからでいい」と山崎さんも言ってくれたし、私もそのつもりでいた。


(でも、綾部くんとの関係を匂わせたまま、山崎さんを中途半端に待たせておくのも・・・)


とはいえ、ここで告白を断ったら、月曜日に気まずくなるのは確実だ。


(いっそのこと、メールに気づかなかったフリをしちゃうとか・・・)


私の中の小悪魔が、にょきっと顔を出すけれど。


(いやいや・・・ダメだ)


挙動不審になって、絶対ばれる自信がある・・・。


(うーん・・・)


眉間にしわを寄せながら、どうしようかと考える。

そのまましばらく悩みに悩んでいたけれど、ここ最近、考え事が多かった私は、脳の許容範囲がオーバーしたのか、突然パタリと思考回路が停止した。


(ええい!)


断ることは決まってるんだ。

答えを長引かせるなんて、山崎さんに気を持たせてしまうだけ。
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