秘密の記憶は恋の契約
(!?)


な、なんか、すごい俺様発言なんだけど・・・!

「失礼します。・・・行くぞ」

「え?あ、ちょっ・・・」

綾部くんは、一度解き放した私の腕を、ぐっとつかんでその場から離れるように歩き出す。

理解がついていけず、口をパクパクさせる私を、彼はぐいぐいと前へ前へと引っぱっていく。

一瞬、はっとして後ろを振り向くと、呆気にとられたような山崎さんの顔が見えたけれど、私は咄嗟に、何も言うことも、立ち止まることも出来なかった。


ズンズンと進む早いスピード。

パンプスを履いた足が、何度かもつれそうになる。

駅前の広場を抜け、商業施設の前を通り過ぎると、動く歩道の橋の下へと綾部くんは進んで行く。

暗がりに差し掛かかる道。

視界の悪さも手伝って、足元がさらにおぼつかなくなった私は、綾部くんに声をかけた。

「ちょっと・・・待って・・・!」

「やだ」

苛立ちを露わにした彼の声。

私は息を切らせながら、この状況に戸惑うばかり。

「止まったら、美咲は山崎さんのところに戻るんだろ」

「それは・・・」

「絶対に行かせねえ。そんなの、黙って見てられるわけねーだろ!」
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