秘密の記憶は恋の契約
「ちゃんと、断らなきゃって思ったから。食事、誘ってもらったけど・・・。

告白も・・・中途半端じゃいけないって、ちゃんと断ろうって思ったの」

「え・・・?」

きっと、綾部くんにしてみれば、初耳のような情報だけど。

私はとにかくとても必死で、彼に気持ちを伝えたかった。

「だからさっきは、ちゃんと断るつもりでいたんだよ。私は・・・・・・綾部くんのことが好きだから」

頬が、これ以上ないくらい、熱く火照っていくのを感じた。

彼の言葉を待つ沈黙。

ドキドキと胸を鳴らして綾部くんを見上げると、彼は目を見開いて、驚いたような顔をした。

「・・・それ、本気で言ってる?」

「うん・・・もちろん・・・本気だよ」

「・・・っ」

次の瞬間、綾部くんは私の身体を引き寄せた。

さっきよりも力強くて、苦しいぐらいの熱い抱擁。

それでもそれは、信じられないほどに心地がよくて、涙がでそうなほどにあたたかい。

「・・・だったら、早く言え」

「だって・・・。さっき言おうと思ったのに、綾部くん、言わせてくれなかったから・・・」

山崎さんの前で、綾部くんは私の口を胸でふさいだ。

その時のことを思い出し、私はポツリと抗議する。

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