秘密の記憶は恋の契約
かわいくて愛嬌のある丸顔が、なんだか急にシャープに変身。

「じゃあ・・・美咲ちゃんは、全く覚えてないんだね?」

「はい・・・飲み屋を出てからは、全く・・・」

「ふーん・・・。そっか・・・。でも、ついに綾部くんが行動に出たっていうことじゃない?」

人差し指を立てた金田さんの目が、キラリと輝く。

けれど金田さんの言葉の意味が理解できない私は、彼女の言葉を聞き返した。

「え?ついに、って・・・?」

しかし、私の反応こそが彼女にはわからなかったらしく、目を丸くして私のことを見つめてきた。

「やだ!美咲ちゃん、気づいてなかったの!?綾部くん、美咲ちゃんのことずっと好きそうだったじゃない」

「・・・えっ!?」


(ま、まさか・・・)


「いや・・・同期だから仲はいいですけど・・・そんな・・・女子として好きなんて素振り、されたこともないですよ」

「ええー!?やだ、ほんとに気づいてないの!?

何かって言うと、綾部くん、美咲ちゃんのフォローばっかりしてるじゃない。

コンビニ行く時だって、美咲ちゃんには毎回毎回『何か買ってくる?』とか聞いちゃって。

私、先輩なのに一度も聞かれたことないよ」
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