秘密の記憶は恋の契約
月曜日の朝。

会社に出勤し、システム事業部のフロアを覗くと、私の席の左には、すでに仕事を始めている綾部くんが、そして右隣には、久しぶりに見るシロクマのような彼の姿が。


(あ!)


「岩下さん!」

思わず声をあげると、岩下さんは座っている椅子をぐるりと回し、私の方に目を向けた。

「おお!梅村。悪かったなー、いろいろと」

「いえ。もう大丈夫なんですか?えっと・・・奥さんも」

「うん。おかげさまでね。すっかり元気になったよ。ありがとなー」

岩下さんがにっこり笑う。

本気のダイエットをしたのだろうか、なんとなく、お腹周りがすっきりしたように見えなくもない。


(でも、岩下さんがシロクマじゃなくなったら、それはそれで寂しいな・・・)


そんなことを思っていると、岩下さんは「そうだ!」と言ってキラリと目を輝かせた。

「聞いたぞー。二人、付き合ってるんだって?」

「えっ!?」

にやにやとしながら、岩下さんは私と綾部くんを交互に指さす。

突然の指摘に動揺した私は、口を大きく開けたまま、ぴたりと身体が固まった。


(な、なんで知ってるの・・・!?)
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