秘密の記憶は恋の契約
「まあ・・・そうですけど・・・同期だし・・・なんか今更っていうか・・・」

嫌いじゃない。

むしろ同期として・・・職場の同僚として、彼のことは好きである。

けれどそれはあくまでも、同期として、友達として。

いままで5年間、仕事仲間としてせっかくいい関係を築いてきたのに、今更恋人になるなんて・・・不安だし、恥ずかしすぎる。

そもそも、金田さんの勘違いっていうだけで、綾部くんが私を好きだという確証はない。

今朝のキスだって・・・どういう意味をもっていたのか、まだわかってはいないのだ。

「社内恋愛禁止じゃないんだし、いいと思うけどなー、綾部くん。

とりあえず何か進展あったら教えてよ。ウフフ。応援するね!」

悶々と悩む私をよそに、金田さんはウキウキと残りのサンドイッチを完食する。


(・・・でも、そうだよね・・・)


このままじゃいけないっていうのは、私だってわかってる。

今の私が綾部くんと話せる自信は、全くと言っていいほどないけれど。

それでも話さなくてはいけないな、と、冷え切ったコーヒーを飲みながら考えていた。









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