秘密の記憶は恋の契約
「それで、佐々木さんも気持ちが落ち着いたみたいです。

冷静になって、いろいろ考えたんでしょう。

感情的になって恥ずかしいし申し訳なかったって、梅村さんのことも、本当に気にしてたんですよ」

「・・・そうですか・・・」

佐々木さんと会うことを、とても恐怖に感じていたけど。

彼女の事情を聞いた私は、会って話せればよかったかな、と、怖いながらもそう思った。

「まあ・・・そんな背景があったということで・・・。

普段は本当に、厳しいけど優しい人なんですよ。

なので・・・佐々木さんのこと、悪く思わないでくださいね」

「えっ・・・!?」

山崎さんが、私のことを真っ直ぐ見つめる。

その眼差しに思わず見とれてしまいそうになり、私は咄嗟にうつむいた。


(・・・山崎さんにそんなことを言われたら、いやだなんて言えないよ・・・)


「はい・・・」と頷くと、山崎さんはほっとしたように私に笑いかけてくれた。

「・・・・・・山崎さん」

ずっと、話すタイミングを伺っていたであろう綾部くんが、意を決したように山崎さんの名を呼んだ。

すると、山崎さんはすっと表情を切り替えて、真顔で綾部くんを見た。
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