秘密の記憶は恋の契約
うぬぬぬぬ・・・と恥ずかしさと怒りが混じった気持ちで綾部くんを睨み付けるも、彼はどこ吹く風でビールをごくごく飲んでいる。

そして、一杯目を飲み終えて二杯目を頼んだ彼は、「そうだ」と言って突然私に指示を出す。

「おまえは一杯でやめとけよ。酒癖相当悪いから」


(・・・むっ!)


彼の言葉にカチンときた私は、残ったビールを一気に飲み干し、自分のジョッキを空にする。

「ぷはっ・・・・平気だよっ!すみませーん、私も・・・」

「おい、やめとけって」

「いいのっ!」

二人でケンカを始めると、岩下さんは「まあまあ」と言って私と綾部くんをなだめに入る。

「仲良く仲良く。まあ・・・ケンカするほど仲がいいとは言うけどな。

ほら、二人のおかげでアクアシュガーの仕事も無事に終わったことだしさ。

さっきみたいにくっついてくっついて」

「まあ・・・そうだな、そうだ!仲が悪いより、恥ずかしいぐらい仲がいいのはいいことだな」

「んー・・・ですね!」

岩下さんに続き、課長と金田さんがいちゃつき容認の令を出す。

田口くんだけは、どう反応したものかと戸惑っているようで、無言で微妙な顔をしていた。
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