秘密の記憶は恋の契約
月曜の夜の各駅停車は、なぜだか空気がまったりしていた。

主要駅を過ぎたあたりから、ポツポツと目立つ空席の数。

私と綾部くんは、3人掛けの席に二人で座って、先ほどの飲み会について話をしていた。

「ほんとに・・・みんなの前で、もうああいうことしないでね。

ただでさえ知らないうちにみんなに見られてたんだもん。明日から、会社に行くの恥ずかしいよ」

あれからも、続々と出てきた私と綾部くんの目撃情報。

田口くんだけじゃなく、『オレも見た』『オレも見た!』と、何人かが手をあげて、私たちはさっきまでみんなに相当からかわれていた。

「悪いことしたわけじゃないし。いいじゃねえか。課長たちもいちゃついていいって言ってたし」

「・・・やめてよ。そのへんな開き直り」

「別に開き直ったわけじゃないけど。オレは元々、どこでもいちゃつきたいタイプだし」

「や、やめてよね!ほんとに・・・!今日は飲み会だったからまだいいけど、普段はほんとに絶対やめて!」

焦って必死に訴えると、綾部くんはこらえきれないように、手を口に当てて「くくく」と笑う。
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