秘密の記憶は恋の契約
翌日の昼休み。

詩織と真依の呼び出しを受けた私は、会社近くにあるカフェへランチに訪れていた。

窓際に位置する四人掛けのテーブル席には、私と向かい合わせになるように、詩織と真依が座っている。

詩織からは、にやりとした笑顔が向けられているけれど、真依の視線はずきずき痛い。

「もー・・・ほんとに!綾部くんと付き合ってるなら、付き合ってるって言ってよねっ!!」

フォークにパスタを巻きつけながら、真依は私をじろりと睨む。

私は「ごめん」と呟いて、オムライスの卵をのせたスプーンを、うつむきがちに口へ運んだ。

本日の呼び出し内容は、私と綾部くんのこと。

先週末から、主に部内で浸透していた、私たち二人の恋愛関係。

それが昨日の飲み会の後、確定情報として他部署にも一気に拡散したらしく、「今朝聞いたんだけど!」という詩織と真依からランチに誘われ、説明責任を求められたのだ。

「言ってくれてたら、私ぜーーーーったいに、合コンで山崎さんにいったのに!!」

「う・・・ご、ごめん・・・。もうほんとに、ごめんしか言えない・・・」

「詳しいことは店に入ってから聞く」と我慢していた真依は、入店して席に座るや否や、「で、どういうこと!?」とすごい剣幕で私にずずいと迫ってきた。
< 251 / 324 >

この作品をシェア

pagetop