秘密の記憶は恋の契約
「実は・・・」

と、付き合い始めた時期や経緯、その他もろもろの出来事を伝えると、真依は「信じられなーい!」と半狂乱状態に陥って、先日の合コンのことを嘆き始めてしまったのだ。

「あんな人、絶対なかなか見つからないのにー!もう!山崎さんの連絡先教えてよーっ」

真依が鼻息荒く私に迫る。

軽い口調ではあったけど、確かに真依は山崎さんのことを「かっこいい!」って騒いでいたし、「美咲狙いじゃなければ私が」という内容のことを、合コンのときに言っていた。

強引な誘いだったけど、「美咲に彼氏を!」と彼女なりにがんばってくれたのも事実で、私が彼氏持ちとわかっていたら、真依は山崎さんにアプローチをしていたのだろう。


(いろいろ事情があったとはいえ、そう考えると責任感じちゃうけども・・・)


「でも、この流れで私が山崎さんの連絡先を教えるのは、さすがにちょっとできないよ」

「えーっ!なんでーっ!?ケチー!!」

真依は思いっきり頬を膨らませ、これでもかと口を尖らせる。


(うう・・・胸が痛い・・・)


「まあ・・・そうだよね。美咲はその山崎さんとやらをフッたわけでしょ?

これで美咲が真依を改めて紹介するなんて、『代わり』みたいに思えるもん。失礼だし、なによりすごく残酷だよ」
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