秘密の記憶は恋の契約
「キレイだったなー」

花火大会を終えた、最寄り駅までの帰り道。

私と綾部くんは、先ほどまで行われていた花火の感想を話しながら、「もう一度腹ごしらえ」と、焼き鳥屋台に寄っていた。

「最後の、白い花火がバーッてなるやつ!あれ、本当にキレイだったね」

「ああ。ナイアガラか。確かにあれはキレイだな。迫力あるし」

屋台の横に設置された、数人掛けの簡易テーブル。

つくねの串を頬張りながら、私が「だよね」と頷くと、綾部くんはビールを片手に呆れた顔で息を吐く。

「・・・にしても。おまえさっきから食いすぎだろ」

まじまじと、私を見つめる綾部くん。

私はつくねをゴクンと飲みこみ、彼の指摘に意見した。

「そ、そう?屋台ものって、なぜかたくさん入るから。でも、綾部くんと同じくらいだと思うけど・・・」

たこ焼きも。焼きそばもお好み焼きもジャガバタも、ほとんど半分こにしているし。

「同じくらいって・・・。男と同じレベルだぞ。それに、美咲はさっきクレープまで食ってたろ」

「や・・・だって・・・甘いものは別腹だよ」

「でたな。必殺女の言い訳」

「だ、だって・・・」

「おいしいんだもん」と不貞腐れると、彼はぷっと笑って私の頭をくしゃりと撫でた。

「・・・まあいいや。よく食う美咲もかわいいからな。腹壊さないなら問題ない。好きなだけ食え」
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