秘密の記憶は恋の契約
「ほんと?よかった。冷たい方がいいかなって思ったんだけど・・・。私、アイスティーってあんまり上手く作れなくて」

「いや。いいよ。美味いから」

綾部くんが優しく笑う。

その表情に私はとてもほっとして、ドキドキとしていた緊張の糸が、徐々にゆるりと解けていった。

時刻はもうすぐ22時。

デートの後の、二人の時間。

私たちだけの空間は、まったりとして幸せで、たわいもない話題で自然と話が盛り上がった。

「お好み焼き屋のオジサン、ちょっと課長に似てたよね」

「いや。あれはちょっとじゃねえだろ。激似のレベルだ。兄弟いるか、今度課長に会ったら聞いてみる」

「ふふっ。うん」

今日の花火や屋台のごはん。

先日あった飲み会のことを、思い出しながら語り合う。

楽しい時間。

心も身体も近くなり、親密度がぐんと上がったような気がした。


(家でのんびり過ごすのもいいな)


そんなことを思っていると、私のスマホからメールを知らせる音がして、「ちょっとごめん」と断って、私はそれをチェックした。

「・・・あ、よかった!」

「ん?」
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