秘密の記憶は恋の契約
甘い余韻の中の微睡み。

ゆるゆると何度か瞬きをした私は、綾部くんの腕枕で眠っていたことに気がついた。

はっとして斜め上に目線を向けると、彼は私の髪を撫でながら、ふわりと優しい笑顔を見せた。

「いいぞ、このまま寝てて」

「あ・・・ううん・・・。ごめんね、いつの間にか寝ちゃってて・・・」

「別に。疲れてたのはわかってたし。オレが無理させたんだ。いいから寝てろ」

そう言って、綾部くんは私のおでこにキスをする。

その優しさが、嬉しくて、幸せで。

私は「うん」と頷いてから、照れ隠しのように彼に言う。

「でも、腕・・・重いでしょ」

「大丈夫だよ、このくらい。それに・・・おまえは眠りこけたら、寝相悪くてすぐに腕から落っこちそうだし。ほんの少しの我慢だろ」

「ちょっ・・・。ひど。私、こう見えて結構寝相いいんだよ?」

「はは。そっか」

綾部くんが笑う。

私は「もう」と言いながら、彼の鎖骨の下をえいっと軽く指で押す。

改めて感じる彼の素肌。

私の頭を支える腕。

目覚めた私は今更ながら、ドキドキと胸を鳴らしてしまった。
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