秘密の記憶は恋の契約
(わ、私ってばなんてことを・・・!記憶を抹消してほしい・・・)


「その時点でな、酔ってるのわかってても、『誘ってんのかな』とかこっちとしては思うわけだ」

「う、うん・・・」


(そ、そうね・・・。まあ・・・そう思われても仕方ないような・・・)


「で、オレも多少は酔ってたし。いろいろ限界になってきて・・・。順番は覚えてないけど。とにかく『好きだ』って言って、おまえにキスしたんだよ」

「う、うん・・・」


(どうしよう・・・。聞いててすごく恥ずかしい・・・)


目を伏せる私。

彼はそのまま話を続ける。

「そしたらな・・・おまえ、『私も好き』とか言って、オレに抱き付いてきたんだよ」

「えっ!?」


(ほ、本当に!?)


今ならば、もちろんわかる行動だけど。

あの時の私は、綾部くんのことをただの同期としてしか・・・友達としか見てはなかった。


(酔ってたとはいえ・・・私、本当にめちゃくちゃ厄介・・・)


酒癖が悪いのは、当然自覚してたけど。

まさかここまでだったとはと、自分で驚愕してしまう。
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