秘密の記憶は恋の契約
「それがな、もう・・・本当にめちゃくちゃかわいくて。こっちは完全に理性崩壊だ。

両想いってのもわかったわけだし・・・ここまできたら、もう、やるしかないだろ」

「え!?や、やる・・・!?」

私はゴクリと息をのむ。

そんな私を、綾部くんはジロリと睨んだ。

「・・・と思ったけど。わずかながら理性は残ってたらしくてな。

まあ・・・場所が家だったら最後までしてたと思うけど。

ここは会社だって、必死に自分に言い聞かせてさ。とにかくオレは耐えたんだよ。

やたら色気を出しまくってる、おまえに抱きつかれたまま」

綾部くんの顔が、苦悶のような表情になる。

その時の感情が、伝わってくるようだった。

「しかもだ。その後、おまえはオレに抱き付いたままぐーぐー眠ったわけだけど・・・さすがに一緒に寝たら、オレの神経がもたねえなって思ってさ。

他のとこで寝るかって、おまえを起こさないように立ち上がろうとしたら」

「・・・し、したら?」

「目え開けて、『そばにいて』とか言って、もう一度抱き付いてきたんだぞ・・・」

当時を思い出したのか、綾部くんは、少し頬を赤くした。
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