秘密の記憶は恋の契約
照れたようなその表情に、私も一緒に恥ずかしくなった。

「それがすげえ甘えた感じで。とにかく本当にかわいかった。

それで・・・オレはもう、頭がおかしくなろうとなんだろうと、寝れないの覚悟して、そのままおまえといたんだよ。

・・・まあ、酒も入ってたし、明け方には寝てたみたいだけどな」


(そ、そうだったんだ・・・)


お酒の力は恐ろしい。

これからは、今まで以上にお酒に気をつけなくてはいけない。


(・・・なんて、私の決意はさておいて・・・)


「・・・ごめんね。大変な思いさせちゃって・・・」

苦悶に満ちた寝不足の彼。

そんな姿を想像した私は、彼を見つめて謝るけれど。

「・・・別に。そこまではいい」

「え?」

「寝れなかったけど。おまえもオレが好きだってわかって、すげえ嬉しかったから」

責めるように、綾部くんが私を睨む。

私はその鋭い目線に、ギクリと息をのみ込んだ。

「だけど・・・朝起きたら、おまえはなんにも覚えてなくて。

キスしたらすげえ動揺されるし、そのままどっかに逃げちゃうし。

『あー・・・昨日は酔ってただけか』ってわかって・・・。どんだけ傷ついたと思ってんだ・・・」

「ご、ごめん・・・」
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