秘密の記憶は恋の契約
「・・・もうっ!とにかくダメ!そんなことすると、綾部くんのことなんて、もう、ほんとにキライになるから!!」

「はあ!?おまえ・・・そんなカンタンに、キライになるとか言うんじゃねえ!」

「だって綾部くん、すごく強引なんだもん!!」

「あ!?だからってな・・・」

話し途中の彼に、私はぐるんと背中を向ける。

「おい」と声をかけられたけど、私は返事をしなかった。

「美咲」

「・・・」

「・・・なあ」

「・・・」

「マジでキライになったとか言うなよ」

「・・・」

「ちょ・・・ごめん、無理強いする気はなかったんだけど」

「・・・」

「み、美咲っ・・・」

焦ったように名前を呼ぶと、彼は私の肩に手をかけて、私の顔を覗き込む。

バチッと彼と目が合うと、私は、「ふふっ」と小さく笑ってしまった。

「!?てめ・・・!ふざけんな・・・!!焦るだろ、マジで・・・!」

「だって綾部くん、すごく意地悪なんだもん。いつもからかわれてるから、今のはお返しだよっ」

本気で怒りを表す彼に、私は普段の反撃をする。
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