秘密の記憶は恋の契約
「こっちは頼まれてたからあげと・・・ビールはこのくらいで足りるかな」

「ありがと。うん。買いおきもあるから大丈夫だと思うんだ」

「そうだな。じゃあ・・・何本かテーブルに置いといて・・・残りはこっちに運んでくれる?」

棚田くんの声掛けに、「了解」と言って沢木くんがビールを持ってキッチンへ向かう。

残った女性陣と綾部くんで、食事の準備に取り掛かった。

ほどなくして注文していたピザのデリバリーが到着すると、テーブルの上は準備完了。

詩織の隣に私、真依、沢木くん、綾部くん、棚田くんの順に座って丸い座卓を取り囲む。

詩織にジュースを、その他全員にビールが渡ると、棚田くんは咳払いをしてパーティー開始の言葉を告げた。

「あー・・・えっと、忙しい時期なのに、休日にわざわざ集まってくれてありがとう」

照れながらグラスを掲げた棚田くんに、真依は「かしこまっちゃって気持ちわるーい」とケラケラ笑って場を和ませる。

「キャラじゃねえな」

「そうだよ。来たかったし集まりたかっただけだしね」

「飲みたかったしな」

「そうそう」

口々に話し、いつもの私たちの同期会が始まった。

詩織たちの新婚話で盛り上がり、最近の仕事についての近況や愚痴をみんなで言い合う。

真依はいつにも増して上機嫌で、ビール片手にトークを炸裂させていた。
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