秘密の記憶は恋の契約
(う・・・)


恥ずかしさから、私はすぐさま視線をそらし、誤魔化すようにビールをのどに流し込む。

すると綾部くんは「おい」と言って、いつものセリフを私に告げた。

「そんなに一気に飲むな。1杯でちゃんとやめとけよ」

「・・・うん。わかってる」

私と綾部くんのやりとりに、棚田くんと沢木くんは不思議そうな顔をする。

事情を知っている詩織と真依は、うつむきながらクスクス笑った。

「なに?梅村、酒控えてんのか」

「この前はハイテンションですごい飲んでた気がするけど」

「う、うん・・・ちょっと・・・」

男子二人の問いかけに、私はもごもご口ごもる。

「あ・・・!まさか妊娠!?」

「いや。だったら1杯でも飲まないだろ。ダイエットか」

さまざまな想像を繰り広げる、沢木くんと棚田くん。

そこに、綾部くんが「違う」と言って笑いながら口を挟んだ。

「ハイテンションで飲んだ後、コイツはたちが悪いから」

「え?そうなんだ?」

「そう。めちゃくちゃかわいいんだけど。今はおまえらもいるからな。ああいうのは、オレと二人だけの時にしてもらわないと困るから」

「!?」

私は思わず、「ブブッ」とビールを噴き出した。

綾部くんは「なにやってんだ」と言って私にハンカチを投げてきた。
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