秘密の記憶は恋の契約
「こ、こっちのセリフ・・・!そういうことは言わないでって、前にも何度も言ったじゃない・・・!」

「なんで?部の飲み会じゃなければいいんだろ、別に」

「ちが・・・部内だからとかじゃなくって・・・!同期は余計に恥ずかしいよ!」

テーブルを挟み二人で言い合っていると、棚田くんが「ぷっ」と笑って私と綾部くんを見た。

「システム事業部の人たちが言ってたぞ。おまえらが相当ラブラブだって。・・・ほんとだな」

「いや・・・なんか見てられないな・・・」

楽し気に笑う棚田くんとは裏腹に、沢木くんはそう言いながら「はあ」とため息をつく。

すると綾部くんは「なんだ」と言って沢木くんのことを横目で見つめた。

「うらやましいか。おまえも彼女作ればいいだろ」

「あ!?・・・ち、違うわ!」

顔を赤くして、沢木くんが反論する。

綾部くんは余裕の顔で、フン、と笑ってビールを飲んだ。

「・・・ねえ、沢木くんはほんとに今彼女いないの?」

確認のように詩織が質問をすると、沢木くんは「いや・・・」と言って微妙な返答。

詩織は「んー?」と首を傾げて、さらなる攻撃を続けていった。  

「なんかあやしい・・・。もしかして彼女できた?」

「・・・いや・・・まあ・・・」

困惑したように頷く彼に、綾部くんと棚田くんが「マジか!?」と言ってテーブルに身を乗り出した。

私と詩織も「そうなの!?」と言って、さらにずずいと彼に迫った。
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